「ジャスパー・マスケリン」とは、1902年に生まれたイギリスの奇術師です。そもそも彼の家系が由緒ある奇術師の家系だったそうで、父親も祖父も奇術師であり、発明家でもありました。
そもそも奇術師という言葉自体、あまり聞きなれないですよね。現代でいうところのマジシャン、手品師に相当するようです。
彼は奇術師としてももちろん有能でありましたが、彼がその技術・技能を存分に発揮したのは、奇術の舞台ではなく、戦争という舞台でした。彼は第二次世界大戦にイギリス軍の工兵として参加し、自身の奇術師としての技能を戦争に役立てたのです。
ジャスパー・マスケリンは、大工や科学者など14名からなる「マジックギャング」と呼ばれるグループを組織して、数々の偽装工作を行いました。それらはいずれも大規模な計略、欺瞞、偽装であったそうです。。
具体的にどのようなことをしたのかというと、
・鏡と模型を使って軍艦にみせかける。
・布と板を使って、ジープを戦車に見せる。逆に戦車をトラックに見せる。
・戦車が通ったと見せかけるために、タイヤ(キャタピラ)の痕をつくる。
・軍隊や軍艦に見せかける細工をする。
・アレクサンドリアのスエズ運河を隠蔽する(どのような方法をつかったのかは不明ですが、大きな運河をまるまる隠してしまうなんて、そうとう大規模なしかけだったのでしょうね。彼の最大の手品といわれています)
・夜明かり、建物、灯台、高射砲隊などの模型をつくる。
・偽の線路、偽の無線会話、偽の建築音、偽の水用パイプラインをつくる、等々。
ジャスパー・マスケリンのこうした偽装工作は、時には戦車1000~2000台以上という、大変大掛かりなものもあり、彼とその技術が戦場において大きな功績を挙げ、重宝されていたことが伺えます。
このように戦場において大活躍したジャスパー・マスケリンは間違いなく奇術師として最上級の技術・技能を持っていたのですが、その能力は奇術の舞台ではあまり発揮されず、奇術師としての成功を収めることはありませんでした。
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